百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

借金をしない農業

debt

新規就農は各種補助金がある。農協も金を貸してくれるから投資しようと思えば幾らでも金をかけることができる。行政ら公の機関が主体の就農だと1000万単位の金をかけて畑、ハウス、機械を買うことができる。問題なのは1000万の金は借金になること。事業をしている人からすればそのくらいの金をまわすのは普通だろう。ただ農業の場合は産業として成立してないのでちょっとしたことで倒産するリスクが高い。

例えば自然災害。収穫前の野菜が一瞬にしてなくなったら収入ゼロ。農協の会員になり損失補填保険に加入すれば約7割は補填してくれるそうだが、農協に加入しない農家がザラにいるので。また、ハウスの倒壊も保険とかうまく補助金もらえる農家なら何ともないだろうが、そうじゃない農家は死活問題になる。

「補助金あれば何とかなるじゃん」と思われだろう。補助金で食べている産業に未来はないからね。

一番莫大な借金を背負うことのリスクは簡単に辞められないことだ。借金返済に追われ、長時間労働になり、プライベートがなくなり、辞めようにも無償で貰った補助金を返済しないといけなくなる。親が農家の場合はどういう仕組みで農業が成り立っているか子どものころからわかるし、土地や機械など必要なものは最初からそろっている。あと税制面でも新規就農より優遇されている。

何もない人が一からやるなら、中古のハウス・機械でやるのをおすすめる。中古なら1棟100万円はするハウスが1万円で手に入るし、トラクターも半値くらいで買える。石にしがみついてでもやる覚悟より何かあったら動けるくらいのほうがいい。最初やり始めたことを5年後も同じ形でやってる人がみたことない。中古でやるにはハウスを建てれる技術いるし機械をうまく調達でき管理するノウハウもいるから、研修したほうがいい。(僕は研修してないから強く勧める)

借金背負ってやってる新規就農者はすごい。自分には絶対真似出来ない。

獣との戦い

Painted Hunting Dogs

田舎に住むといっても幅広い。郊外に住む、地方都市に住む、住宅街に住む、都市まで30分圏内に住むと…、山奥、もしくは限界集落に住むのとは全然違ってきます。

僕の住むところは平均年齢は80歳、若者は60歳の限界集落。生きる時間軸とパラダイムは21世紀じゃない。ゆっくりとした時間と江戸時代のような慣習がある。口でいってもわからないと思うので経験してみてほしい。

限界集落の問題は獣害。海辺も山奥も同じ。毎日獣に遭遇するし、対策しないと生きていけない。大げさではなくて獣を殺すのはかわいそうといっていたら集落は100%消滅するからね。

対策としてまずは罠。くくり罠や銃はやってないが、箱罠はかんたんにできるのでやっている。エサ仕掛けて捕まるときもあれば餌だけ持っていかれることもある。個体を減らすために有効ですね。

次はロケット花火。朝昼晩に関係なく獣がみえたりしたら打つ。音でビビらせて人間エリアに近寄らせないようにする。これもやりだしてから里に降りてくる回数減ったので有効だろう。

人海戦術もやっている。早朝、夜遅くに見回ってみつけたら追い払う。集落の人は家庭菜園してるから食べられないようネットや電気柵している。それでも侵入するから人が行って存在感をみせるようにしている。今日も5時からたぬきの親子3匹いたから追い払った。

このままいけば年寄りたちは10年もすればほぼ0になる。そうなれば自分で何とかするしかない。そろそろ罠を仕掛けることもしないとなー。里に降りてくる獣は捕まえて殺さないとイタチごっこ。山には入って竹やらを切って少しでも間伐している。長い目だと自分だけじゃなくて色んな人を巻きこんで対策する必要ある。今はそのタイミングではないので、時期がきたらガンガン呼びたい。

 

原発事故の記憶

 

Fukushima apocalypse _DDC3559

もう7年も経つんだな。福島第一原発事故から。あの事故によって人生を大きく変えられた人が大勢いる。事故の直接的被害を受けた人、間接的に被害を受けた人。

僕は事故当時九州のアパートで一人暮らしをして、バックパッカーの旅から帰ってきたばかりだった。福島と九州は遠い。地震の揺れもなく、津波の被害もなく、あの日は何も変わらない一日だった。多分九州にいた人は同じような感じだったと思う。テレビやネットで流れる情報をみても同じ国で発生した被害だという実感がわかなかった。遠い遠い場所の出来事のように感じた。原発が水素爆発を起こしたときも「これはヤバイ」と思ったが、とりあえず状況をみて日本から避難するか判断しようと考えていた記憶がある。

事故から2週間して関東付近から福岡へ避難してきた人たちと話す機会があった。放射能の影響について知り考える20人程度の勉強会に参加したときだった。大学の物理か科学の教授、長年原発に反対してきた人が登壇に立ち科学的見地から話し、途中疑問があれば質問するような形式で進んでいった。避難してきた人の7割は女性で、赤ちゃんを抱いたお母さんもいた。男性はこのときも仕事をしていたわけです。さすがジャパン・・・。

会の中に夫がヨーロッパ出身のお母さんがいた。夫の仕事は外資系の仕事で、本国から避難命令がでており今週中に香港に家族で行くと言っていた。彼女は福岡に来てみんなが何事もなく普通に生活していたことに驚いて、すごくギャップを感じるとも言っていた。彼女の周りはみな海外に避難しようか九州・沖縄まで避難しようか切羽詰まった状況なのに、ひざ避難してみたら何も変わらない日常が流れている。最初は怒りもあったそうだが、何気ない日常があることに安心したそうだ。避難してきた人たちの様子は落ち着いているようにみえたけど、話すと興奮して動揺が続いていた。その様子をみて原発事故は本当に自分の国であったんだという実感が湧いた。

NHKでは「御用学者」と呼ばれる東大の教授たちが被害はないと言い、原子力技術者の人は直ちに避難したほうがいいと言い、本当に正しいのはどちらかわからなかった。当時官房長官だった枝野幸男は「ただちに影響はない」と「国民の皆様で判断してくださいね」と正確な情報は出さずに言う。(SPEEDIは事故から1年?くらいあとにだしてきたし)とりあえず大手メディア、ネットに限らず名前と顔を出して科学的知識がある人たちの情報と、市民レベルで行われていたガイガーカウンターの値をベースに判断することにした。色々参考にしたが特に参考にしていたのは

  1. 大前研一氏のyoutube
  2. 飯田哲也氏の情報
  3. 伊藤穰一氏らのsafecast

この3つだ。とにかく重要視したのは科学に基づく意見。「〜を飲んだら放射能が消える」「放射能なんか大したことない」「放射脳は困る」と言った方々の情報は無視した。

3つの情報から判断した自分なりの答えは、わからない。

影響がある・ないどちらにも共通しているのは、低線量被曝が人体に与える影響は誰も経験したことないからわからないことだ。高線量の放射線を浴びたら死ぬことは誰しも同じ見解だが、低線量に関してはわかっていない。想定できないリスクならなるべく放射能のリスクは避け、原発は廃炉にすべきというのが自分の意見。

原発事故は今も続いているわけで、廃炉にしても数百年・数万年に渡り管理しないといけないといけない。それまでに放射能除去装置ができればいいけど、途方もない年月であることに変わりはない。

福島の原発、広島・長崎の原子爆弾。100年の間に2回も核による被害を受けたのは日本だけ。そろそろ対立しても逃げずに正面から向き合ってもいいんじゃないでしょうか。

ドームがたり (未来への記憶)

ドームがたり (未来への記憶)